シェアハウスは入居者同士の距離が近い分、トラブルが起きやすい環境となっています。
経営者がルールを事前に設定しておくことで、トラブル防止に繋がるでしょう。
ここでは、シェアハウスを運営する際、最低限設定するべきルールやトラブルが起きた際の対応方法を解説します。
それらを事前に確認し、入居者が楽しく快適に過ごせるシェアハウス運営を目指してくださいね。
シェアハウスはルールを作っておくべき?
シェアハウスでは、ルールを作っておいた方が、入居者同士が安心して暮せるでしょう。
ルームシェアでは友人同士で生活することがほとんどですが、シェアハウスは他人同士での生活が一般的です。
その特徴から、外国人、学生、社会人など異なる価値観を持つ人が集まりやすいため、入居者同士のトラブルが起こりやすい環境です。
他人同士の集まりでは、ルールがないと他者のことを考えない人が出てくる可能性もあるでしょう。
「こんなことまでルール化する必要があるのか」と思うことでも、ルールを決めておくことで秩序が守られトラブル防止に繋がります。
シェアハウスとルームシェアの違いについて興味がある人は、以下の記事もご覧ください。
内部リンク:シェアハウスとルームシェアの違いは?起こりやすいトラブルも解説!
シェアハウスで最低限必要なルール
シェアハウスで最低限必要なルールと、ルールがないとどんなトラブルが起こり得るかを場面別に紹介します。
リビング・キッチン
リビング、キッチンでは、主に騒音対策、整理整頓・清掃、盗難防止などに対するルールが必要です。
- リビングで大声を出さない(電話含む)
- テレビの音量
- 24時以降の調理禁止
リビングやキッチンの物音は、意外と居室に聞こえます。
騒音に関するルールを設けていないと、入居者同士の話が盛り上がったり、大音量でテレビを見たり、騒音トラブルとなる可能性があるでしょう。
換気扇やフライパンの使用など、夜中の調理も騒音の原因です。
夜中は電子レンジや電気ポットのみなど、簡単な調理のみとしておくなどの対策があります。
- 私物を置きっぱなしにしない
- 炊飯器のご飯、鍋の中の食材を放置しない
- 冷蔵庫に入れる物には名前を書く
- フリースペースの物以外使用しない
共有スペースを私物化してしまう人がいると、他の人が使えなくなるだけでなく、盗難トラブルが起こる可能性もあるでしょう。
炊飯器、鍋など数が限られている調理器具はすぐに片付けて、次の人が使えるように洗っておくなどの配慮も必要になります。
また、シェアハウスでは、調味料などのフリー食材があることも珍しくありません。フリーのものだけでなく、他の人のものを使う人もいるので注意が必要です。
- 食後の食器を放置しない
- 調理時に部屋を換気する
- 食材の賞味期限を管理する
- 使い終わった後、テーブルを綺麗に拭く
- 食器が溜まっていたら食器棚へ戻す
- ゴミ出し当番を守る
食器を片付けるタイミングは人によって異なるため、すれ違いで口論になる可能性もあります。
テーブルに食べかすがあれば、次に使う人が不快な思いをしたり、虫が発生する原因になったりするため、清掃ルールも設けておきましょう。
かごに溜まった食器類やゴミ袋の交換など、気が付く人のみがいつも対応する可能性があります。みんなが平等に行うように、ルールを設けておくと安心です。
トイレ・浴室・洗面所
トイレ、浴室、洗面所には、騒音・共有・清掃に関するルールが必要です。
- 24時以降のシャワー禁止
- 〃洗濯機の使用禁止
夜中はほとんどの人が寝ている時間のため、騒音トラブルの元になる物は時間を指定しておくと良いでしょう。
生活スタイルの違う人同士だと入浴時間に差があるため、入居前の面談で職業を確認しておくことも手段の一つです。
- シャワーは一人30分まで
- 洗濯後は自分の衣類をすぐに回収する
- 干した洗濯ものを放置しない
入浴時間が重なるとシャワーは順番待ちになるため、次の人のことを考えて入浴時間を守らせることも大切です。
洗濯機は利用時間が長いため、終了後に衣類を放置しがちになります。自分が使いたい時に誰かの洗濯物があるとストレスの原因にもなるため、洗濯後の衣類はすぐに回収させましょう。
同じく洗濯物を干すスペースは限られているため、洗濯物を放置させないように注意が必要です。
- シャワー後の髪の毛を掃除する
- トイレ、洗面所を使用後に汚れがあれば掃除する
- トイレットペーパーの芯を放置しない
複数人が使うトイレ、浴室、洗面所は汚れやすく、特に清掃に気を付けたい場所です。
玄関
玄関には防犯や靴の管理に関するルールがあります。
- 鍵の閉め忘れに注意
- 靴はシューズボックスにしまう
- 傘や靴は一人〇つまで
玄関は散らかりやすいため、各入居者の靴は指定の場所へしまうように徹底します。
また、一人ひとりが持つ靴が多いと整理整頓してあっても、なかなか片付きません。新しい入居者が置き場所に困る可能性もあるので、個数を指定しておくことも選択肢の一つです。
その他
その他にも、生活に関するルールがあります。必要に応じてルールを設定しましょう。
- 貴重品は個室に保管
- 他人の部屋、空いている部屋に入らない
- 友人の訪問・宿泊可否
- ペット飼育可否
- 異性の訪問禁止
- 勧誘禁止(ねずみ講、宗教)
- 禁煙
- 消耗品の補充、管理
- 入居者が体調不良になった際の対応
トラブル防止のための日常的な対策
シェアハウスでのトラブルを防止するためには、定期的な訪問、清掃、消耗品の管理など日常的な運営・管理を徹底することが大切です。
運営・管理をきちんとしていないと、入居者と管理側でもトラブルになる可能性があります。
国土交通省が運営事業者に行ったアンケートでは、運営事業者と入居者間でトラブルとなった事項について以下のデータがあります。
- 物件の管理が不十分であるとの苦情があった 12.7%
- 契約時に合意した事項について、入居者との認識に相違がありトラブルとなった 11.3%
参考:国土交通省 シェアハウスに関する市場動向調査結果について
運営側の問題だけでなく、入居者が契約内容を理解していないケースもあるでしょう。事前説明の徹底、生活ルールを遵守する特約を設定するなどがトラブル防止に繋がります。
シェアハウスのルールを守らない人への対応
万が一、シェアハウスのルールを守らない人と他の入居者でトラブルになった場合、まずは当事者間で解決を試みます。
当事者間での解決が難しい場合、管理側から注意喚起または個別面談をしましょう。
トラブルを起こした入居者が居住をし続けることが難しいと判断すれば、契約条件に基づき再契約しないなどの対策も必要です。
シェアハウスでは、定期借家契約が一般的な契約形態です。以下の記事で詳しく解説しているので、興味がある人はご覧ください。
内部リンク:【シェアハウス経営者向け】定期借家契約と締結時の注意点とは?
まとめ
シェアハウスでは、入居者が安全に楽しく過ごすためにルール設定が必要です。ルールがないと想定外のトラブルに発展する可能性があるため、運営者としてしっかりとルール設定をしておきましょう。
また、日常的な巡回や清掃などでトラブルを防げる可能性もあるため、ルールと併せて管理・運営を徹底することも大切です。
これからシェアハウス投資を始める予定の人は、以下の記事も参考にしてくださいね。