「社会貢献✕不動産投資」がモットーの不動産投資コンサルタントの仲尾です。
これからシェアハウス投資を始める人の中には、資金調達方法で悩んでいる人もいるのではないでしょうか?
シェアハウス投資で利用するローンは投資用ローンが一般的ですが、住宅ローンに比べて金利が高くなります。
金融機関にバレないなら、金利の低い住宅ローンで借り入れたいと考える人もいるでしょう。しかし、金融機関に嘘をついて融資を受けるのは危険です。
ここでは、
- シェアハウス投資で住宅ローンは組めるのか
- 住宅ローンで始めたシェアハウス投資がバレたらどうなるのか
- 自宅をシェアハウスにする場合、借入中の住宅ローンはどうなるのか
などについて解説します。
安全にシェアハウス投資を始められるように、ローンについての知識をしっかりと身に着けておきましょう。
シェアハウス投資で住宅ローンは組める?
結論から言うと、シェアハウス投資用の物件に住宅ローンを利用することはNGです。
シェアハウスは投資物件のため、住宅ローンではなくアパートローンでの借入が一般的です。それでは、アパートローンと住宅ローンは何が違うのでしょうか?
アパートローンと住宅ローンの違いの一つに、金利の高さがあります。
下記は三井住友信託銀行の住宅ローン(フラット35)とアパートローンの金利を比較したものです。
金利 | |
フラット35 | 年1.24%~1.74% |
アパートローン | 年2.575%~3.1% |
同じ金融機関でも、ローンの種類によって金利に2倍以上の差があります。そのため、なんとか投資用物件でも住宅ローンを利用できないかと考える人もいるでしょう。
しかし、基本的に投資用物件での住宅ローンの利用はNGで、住宅ローンの商品概要にも記載されています。
それでは、なぜ投資用ローンと住宅ローンでは金利が大きく異なり、投資用物件で住宅ローンの融資を受けられないのでしょうか。次の章で解説していきます。
投資用物件で住宅ローンを利用してはいけない理由
シェアハウスなどの投資用物件で住宅ローンを利用してはいけない理由は、以下2選です。
- 物件を使用する目的が違うため
- 金融機関から見た貸し出しリスクが異なるため
住宅ローンは、契約者本人が生活するための住居に利用するローンになります。一方で投資用ローンは、収益を得るための物件に利用する事業用のローンです。
住居は私たちが生活する上で欠かせないものなので、住宅ローンは一般的なローンよりも金利が優遇されています。
また、住宅ローンは契約者の給与からローンを返済しますが、投資用ローンは家賃収入でローンを返済します。
会社員であれば、毎月一定額の給与が入ってくるため収入源が安定していますが、家賃収入はそうはいきません。
入居者が集まらなかったり、退去者が出たりすると家賃収入がゼロになる可能性もあるでしょう。
投資用ローンはこのような不動産事業のリスクを伴うため、住宅ローンよりも金利を高めに設定されています。
金融機関は、投資用ローンの金利を高くしておくことで、万が一契約者が返済できなかった時のリスクに備えています。
住宅ローンで始めた賃貸経営がばれたらどうなる?
投資用物件の融資を住宅ローンで受けていることが金融機関にばれるケースは、
- 金融機関からの郵便物が届かない
- 金融機関の営業担当の訪問
などです。
本来、本人が住んでいるはずの住宅ローンの物件に郵便物が届かなかったり、他の人が住んでいたりするなどで発覚する可能性があります。
それでも「金融機関にばれなければ、住宅ローンでシェアハウス投資を始めてもいいのでは?」と考える人もいるでしょう。
しかし、住宅ローンで始めた賃貸経営が金融機関にばれると「期限の利益の喪失」で一括返済を求められる可能性もあります。
「期限の利益」とは、ローンの契約者がローンを分割して返済できる権利です。ローンを利用する際、契約者は毎月決まった額を少しずつ返済する権利を持っています。
例えば、契約者が物件を購入するために3,000万円の融資を一括で受ける場合でも、毎月数万円ずつ返済していける権利です。
「期限の利益の喪失」とは、分割して返済できる権利を失って、一括で返済しなくてはいけなくなるということです。
本来は居住用として融資を受けるはずの住宅ローンを、シェアハウスなどの賃貸経営に使用していた場合、金融機関に嘘をついていたことになります。
嘘の申告をした場合、契約違反となり期限の利益を喪失となるでしょう。
ただし、期限の利益の喪失で一括返済をするかどうかは、金融機関の判断によって異なります。
一括返済ではなく、投資ローンへの切り替えで済むなどケースバイケースです。
一括返済する必要がない場合でも、嘘をついての借り入れは金融機関との関係が悪化する可能性もあり、契約者にとってはデメリットです。
万が一、賃貸経営が上手くいかずに困った時も、返済の相談に応じてもらないこともあるので、注意が必要になります。
自宅をシェアハウスにする場合の住宅ローンはどうなる?
それでは、すでに住宅ローンで借入中の自宅を活用して、シェアハウス投資を始めたい場合はどうなるのでしょうか。
住宅ローンは基本的に投資物件NGですが、金融機関によっては認められるケースもあります。
例えば、転勤や結婚など整合性がある理由の場合、引き続き住宅ローンを利用できる可能性があります。
ただし、こちらもあくまでもケースバイケースです。金融機関によっては投資用ローンへの切り替えが必要になることもあります。
シェアハウス投資でローンを利用する際の注意点
シェアハウス投資でローンを利用する際の注意点は、金融機関へ嘘をつかず、正直に融資の借入をすることです。
先述の通り、基本的にはシェアハウス投資用の物件で住宅ローンの利用はNGです。
住宅ローンを借入中に自宅からシェアハウスへ切り替える際も、必ず金融機関へ相談してくださいね。
金融機関に嘘をつかず、正直に申告し、安全にシェアハウス運営を行いましょう。
まとめ
シェアハウス投資でローンを借入る場合、住宅ローンではなく投資用ローンの利用になります。契約違反をした場合、一括返済を強いられる可能性もあるため、注意が必要です。
ただし、やむを得ない事情で自宅をシェアハウスにする場合など、例外もあるため金融機関へ相談してみましょう。