シェアハウスとルームシェアは、どちらも新しい居住スタイルとして、若い世代を中心に人気です。
これから不動産投資を始めたい人は、それぞれの違いを把握しておくと、入居者への対応に役立ちます。
ここでは、シェアハウスとルームシェアの違いやそれぞれの特徴を解説します。
記事の後半では、シェアハウスやルームシェアで起きやすいトラブルと対処法も解説するので、参考にしてくださいね。
シェアハウスとルームシェアハウスの違い
シェアハウスとルームシェアは、
- 誰かと一緒に暮らす
- 費用を抑えて広い家に住める
という点では同じです。
しかし、両者は契約形態や初期費用などが異なります。
シェアハウスとルームシェアの違いを表にまとめると、以下の通りです。
シェアハウス | ルームシェア | |
一般的な契約形態 | 定期借家契約 | 普通賃貸借契約 |
管理者の有無 | 有 | 無 |
初期費用 | 通常の賃貸住宅よりも安い | 通常の賃貸住宅の初期費用÷同居人数 |
同居する人数 | 数人~200人以上 | 多くても5人 |
同居人同士の関係 | 他人同士 | 友人・恋人などの知人同士 |
まず、シェアハウスとルームシェアでは、締結する契約の種類が違います。
契約の種類は更新の有無にも関わるため、不動産投資を始める前にしっかりと理解しておくと良いでしょう。
また、同居する人数や同居人同士の関係も大きく異なるため、それぞれの特徴を確認してくださいね。
シェアハウスとルームシェアのそれぞれの特徴について、次の章から解説していきます。
シェアハウスの特徴
シェアハウスは、一つの住宅を他人とシェアする居住スタイルです。
個室タイプ、ドミトリータイプ、コンセプト型など、さまざまなニーズに対応できるため、人気を集めています。
シェアハウスでは、運営会社やオーナーがルール決めや管理を行い、入居者一人ひとりと契約を締結します。
シェアハウスの一般的な契約形態は「定期借家契約」です。定期借家契約とは、更新がないタイプの契約で、最初に定めた期間が到来すると契約が終了します。
契約期間は1年半未満が多いですが、入居者が契約終了後も住み続けたい場合は、再度契約できます。
シェアハウスの大きなメリットは、初期費用を抑えられることです。
初期費用を抑えられる理由は、以下の物件が一般的なためです。
- 礼金や保証会社への支払が不要
- 大型家具家電が備え付け
初期費用が安く、大型家具家電の購入が不要のシェアハウスは、一般的な賃貸住宅よりも引っ越しへのハードルが低くなっています。
また、シェアハウスは規模もさまざまです。シェアハウスの中には、系列のシェアハウス間で移動できる物件もあります。
規模が大きいシェアハウスは、その分多くの人と交流する機会があるため、出会いのチャンスも広がるでしょう。
シェアハウスのメリット、デメリットについてもう少し詳しく知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください!
シェアハウスのメリット・デメリットは?入居者と経営者別に解説
ルームシェアの特徴
ルームシェアは、一つの部屋を友人・恋人などの知人とシェアする居住スタイルで、同居人数は多くても5人程度です。
ルームシェアの運営管理者はいないため、同居人同士のトラブルや生活のルールは、入居者が管理します。
ルームシェアの契約形態は、一般的な賃貸住宅と同じ「普通賃貸借契約」ですが、契約の締結方法は以下の2通りに分かれます。
ルームシェアの契約締結方法
代表契約 | 代表者1名が管理会社と契約締結し、代表者が契約の責任を負う方法です。 |
連名契約 | 入居者全員が契約者となり、入居者全員の入居審査をする方法です。 |
どちらの方法で契約を締結するかは状況によって異なりますが、ルームシェアでは運営者がいないため、契約方法によっては注意が必要になります。
例えば代表契約の場合、入居者の誰かの家賃滞納で代表者が滞納すれば、代表者の責任となってしまうため、入居者間のトラブルに発展することもあるでしょう。
また、ルームシェアにかかる初期費用は一般的な賃貸住宅と同じですが、同居人同士で分割できるため、一人暮らしよりも安くすみます。
シェアハウス、ルームシェアで起こりやすいトラブルと対処法
ここからは、これから不動産投資を始めたい人に向けて、シェアハウスとルームシェアで起こりやすいトラブルと対処法を解説します。
シェアハウスで起こりやすいトラブル
シェアハウスで起こりやすいトラブルは、入居者同士のトラブルです。シェアハウスは他人同士での同居になるため、友人同士のルームシェアよりもトラブルが起こりやすい環境になります。
例えば、
・夜間に大声で話して他の入居者の睡眠を妨害する人がいる
・共有スペースに私物を置いていたら、盗難被害にあった
・掃除当番のルールに従わない人がいる
など、共同生活であるための問題が起こります。
入居者同士のトラブルは相性の問題もあるため、完全になくすことは難しいです。
しかし、少しでもトラブルを抑えるために、入居のルール決めをしっかり行っておきましょう。
ルームシェアで起こりやすいトラブル
ルームシェアで起こりやすいトラブルは、以下2選です。
- 入居者の一部の人が退去した場合の家賃滞納リスク
- 他の入居者への騒音トラブル
ルームシェアは、シェアハウスと違って知人同士のため、ある程度の信頼関係があります。
しかし、友人や恋人同士のルームシェアでは、喧嘩などで入居者の一部が退去する可能性があります。
残った人が家賃を払い続けられれば問題ありませんが、滞納してしまう人もいるでしょう。
恋人の場合は婚約者かどうか確認するなど、入居前に入居者同士の関係を確認しておくことも一つの手段です。
また、若者同士のルームシェアの場合、友人を集めて騒ぐ可能性があり、他の入居者への騒音トラブルに発展しかねません。
しかし、アパートなどの集合住宅では騒音トラブルが起こりやすいため、完全に防ぐことは難しいでしょう。
万が一騒音トラブルが起きてしまった場合、オーナーとして当事者へのヒアリングをし、騒音に対する張り紙などで対応する必要があります。
まとめ
シェアハウスとルームシェアは、住まいを誰かと共有する点では同じですが、契約形態や初期費用などが違います。
シェアハウスとルームシェア、それぞれの特徴と違いを把握して、入居者への対応や不動産経営に役立ててくださいね。
また、起こりやすいトラブルと対処法を事前に把握しておき、運営していく上でのリスクを最低限に抑えましょう。