「シェアハウスと民泊って何が違うの?」
「シェアハウスの空室は、民泊として活用できるって本当?」
シェアハウス運営をこれから始めたい人や、現在シェアハウス運営をしている人の中には、稼働率に対する不安がある人もいるでしょう。
シェアハウスの空室で悩んだ時のために、民泊として貸し出しできることを知っておきましょう。
ただし、シェアハウスを民泊として貸し出すにはルールがあるため、注意点をしっかり確認することが重要です。
ここでは、
・シェアハウス運営と民泊運営の違い
・民泊新法(住宅宿泊事業法)とは何か
・シェアハウスの空室を民泊として貸し出すメリット、注意点
などについて解説します。
シェアハウス運営に不安を感じている人は、稼働率UPの改善策として、民泊運営も検討してみてはいかがでしょうか。
シェアハウス運営と民泊運営の違いは?
シェアハウス運営と民泊運営の違いを表にまとめると、以下の通りです。
シェアハウス | 民泊 | |
業種 | 賃貸住宅業 | 旅館業 |
関係する行政 | 国土交通省 | 保健所など各地域の自治体国土交通省観光庁 |
物件の規模 | 複数の個室が必要 | 3.3㎡×宿泊人数以上の客室があればOK |
滞在期間 | 中期~長期 | 短期 |
シェアハウスとは、一つの家を複数人でシェアする賃貸住宅で、民泊とは、ホテルや旅館の代わりに一般住宅に宿泊する宿泊形態です。
シェアハウスも民泊も、どちらも複数人で建物をシェアする点が共通していますが、上記の通り、条件や居住スタイルなどが異なります。
ここでは、シェアハウスと民泊の違いについて解説します。
業種・関係する行政
シェアハウス運営と民泊運営が大きく異なる点は、業種の違いです。シェアハウスは賃貸住宅業、民泊は旅館業になるため、関係する行政も違います。
また、業種が違えば適用される法律も違い、シェアハウスは借地借家法、民泊は旅館業法・民泊新法などが対象です。
物件の規模
シェアハウスでは、募集人数によっては複数の個室が必要になります。そのため、アパートや戸建など、ある程度広い物件であることが多いです。
民泊は、国土交通省のガイドラインに「宿泊者数X3.3㎡以上」と記載がある通り、宿泊客一人当たり最低3.3㎡以上確保できればOKになります。
(参考元:国土交通省 住宅宿泊事業法に基づく民泊の管理業制度について)
滞在期間
シェアハウスは賃貸住宅のため、数か月~2年など比較的中長期の滞在が一般的です。
一方で民泊は、外国人旅行者など一時的に滞在する人が対象のため、数日~長くても数か月など短期間になります。
シェアハウスの空室は民泊として活用できるの?
近年注目を集めているシェアハウス運営ですが、空室に悩んでいる人もいるでしょう。そんな時は、シェアハウスの空室を民泊として貸し出すことで、空室対策ができます。
ここでは、
- シェアハウスを民泊化する時に知っておくべき法律「民泊新法」
- シェアハウスを民泊として活用した場合のメリット
について解説します。
シェアハウスの民泊化で知っておくべき法律【民泊新法とは?】
民泊新法(住宅宿泊事業法)とは、外国人観光客の増加などで急増した「民泊」を整備するために作られた法律です。民泊新法は、平成30年に施行されました。
民泊新法の施行によって、旅館業法よりも民泊運営の条件が緩和され、個人が民泊を始めやすくなりました。
民泊新法では、宿泊客の宿泊日数が年間180日以内であれば、シェアハウス運営と民泊運営の両立が可能です。そのため、シェアハウスの空室対策として民泊を活用するのも一つの手段。
シェアハウスの空室を民泊として活用するメリット
シェアハウスの空室を民泊として活用するメリットは、以下3選です。
- 空室を有効活用して稼働率UPできる
- リスク分散になる
- 入居者同士の交流機会が増える
もともと複数人から賃料収入を得やすいシェアハウス運営ですが、空室を民泊として活用すれば、万が一空室が続いても稼働率を維持できます。
また、民泊は旅行者を対象にしているため、民泊運営のみでは賃料収入が途絶えるリスクがあります。
実際に、2020年頃から世界中で大流行している新型コロナウイルスの影響で、海外から日本への旅行者の入国が難しく、民泊の集客に苦労している人もいるでしょう。
シェアハウスX民泊を上手に活用することで、賃料減収へのリスク分散ができます。
また、シェアハウスの入居希望者の中には、人との交流を求めている若い世代も多いです。シェアハウスの民泊化で入居者同士の交流機会が増えれば、入居者にとっても嬉しいことでしょう。
シェアハウスの空室を民泊として活用する際の注意点
シェアハウスの空室を民泊として活用する際の注意点は、以下4選です。
- 住宅宿泊事業者への登録が必要
- 保健所へ民泊可否の確認が必要
- 地域によって営業時間に制限がある
- セキュリティの強化が必要
それでは、順番に解説していきますね。
住宅宿泊事業者への登録が必要
シェアハウスを民泊として運営するには、都道府県知事に「住宅事業者」として届け出る必要があります。
住宅宿泊事業者への届け出は、民泊制度ポータルサイト「minpaku」からできるので、興味がある人は確認してみてください。
保健所へ民泊可否の確認が必要
前章で解説した民泊新法は、民泊の衛生管理や、騒音・ゴミなど地域住民とのトラブルを防止するための法律です。
そのため、すべてのシェアハウスが民泊を運営できるわけではありません。
地域によって規約が異なるため、必ず保健所へ相談しましょう。
地域によって営業時間に制限がある
地域によっては、民泊の営業時間に制限があります。
例えば、以下は東京都で民泊営業を禁止している時間帯の一例です。
- 中央区(区内全域):月曜正午~土曜正午
- 品川区(一部地域):月曜正午~土曜正午
- 目黒区(区内全域):日曜正午~金曜正午
住宅街にある民泊の場合、宿泊客による騒音トラブルが起こる可能性もあるため、近隣の住民への配慮が必要です。
シェアハウスの物件がある地域は営業時間の規制があるかどうか、事前に確認しておきましょう。
セキュリティの強化が必要
民泊を運営する場合、中長期滞在のシェアハウスよりも人の出入りが増えるため、各部屋のセキュリティを強化する必要があります。
長期滞在している入居者も安心できるように、各部屋にロックをかけたり、ルールを設けるなど、セキュリティ対策をしっかり行いましょう。
まとめ
シェアハウス運営は、民泊運営との両立が可能です。ただし、住宅事業者としての登録や、民泊新法の条件を満たしているかなど、事前確認が必要です。
現在シェアハウスの空室に悩んでいる人も、これからシェアハウス運営を始めたい人も、空き家対策の手段として、民泊運営も検討してみてくださいね。