長期にわたって資産形成するためには、安定かつ効率的に利益が出る金融商品に投資することが不可欠です。
その代表格と言われるのが不動産投資ですが、初心者にとってはマンションやアパートを購入するためのまとまった資金が必要になかったり、何からはじめていいかわからない人も多いのではないでしょうか?
そこで効率かつ効果的に不動産投資をはじめられるのが、不動産投資信託と言われるREIT(リート)です。
本記事では、REITの特徴をはじめ、投資するメリットについて解説します。
REITとは
まずはじめに、不動産投資信託「REIT」の特徴について解説します。
REIT(不動産投資信託)の概要
REIT(不動産投資信託/Real Estate Investment Trust)とは、投資法人が投資家から集めた資金で、オフィスビルや商業施設、マンションなどの不動産を購入・運用して、そこから得られる賃貸収入や売却益を配当金として投資家に分配する金融商品を指します。
REITは証券化されて証券取引所に上場しているため、証券会社に口座開設することで誰でも購入・売却することが可能。購入可能金額も数万円単位から投資できるため、不動産投資の経験がない人でも気軽にはじめることができます。
不動産投資との違いって?
では、REITと同様、オフィスビルやマンションなどに投資する不動産投資とは何が違うのでしょうか?
それぞれの違いは次の通りです。
実物不動産 | REIT | |
投資対象 | マンション、アパート、オフィスビルなどの実物不動産 | ホテルや商業施設、倉庫など多様な不動産に投資可能 |
最低投資金額 | 高額(最低でも数百万〜数千万円) | 少額(数万、数十万円から可能) |
分散投資 | 難しい | 可能 |
物件の管理 | 投資者自身又は外部委託 | 可能(資産運用会社が運営・管理) |
流動性 | 低い | 高い |
利回り | 物件によって異なる | おおむね3〜6% |
不動産投資ローン | 利用可能 | 利用不可 |
REITのメリット
ここからREITに投資するメリットについて解説します。
高く安定した利回り
REITは株式投資や実物不動産投資と比べて高く安定した利回り(配当)を期待することができます。
REITは原則として、利益のほとんどが投資家に配当金として分配されます。
なぜなら、REITを運用する投資法人は、利益の90%超を分配金するなど、一定の条件を満たすことで、実質的に法人税がかからず、分配金が損金算入できるため、効率かつ安定的に高い利回りを得ることが可能です。
少額から投資できる
少額資金をREITに投資することで、不動産を間接的に所有・投資することができます。
従来なら、実物資産である不動産にを購入する費用として、数百万から数千万円、多くて数億単位のお金が必要とされてきました。
しかし、金融商品であるREITなら数万から数十万円と言った比較的少額で購入することが可能です。
不動産の管理が不要
REITは専門知識やノウハウを有する資産運用会社が不動産の売買や運営・管理業務を行なってくれるため、運用・管理する手間を省くことができます。
実物不動産であれば、不動産の選定や購入をはじめ、物件の維持管理や賃貸募集に至るまで、幅広い業務を自分で行う必要があります。
しかし、REITは不動産投資にかかる全ての業務を各分野のプロが行ってくれるため、不要な労力や時間を費やすことなく不動産投資をすることが可能です。
流動性が高く換金しやすい
REITは株式投資と同様、証券取引所で簡単に売買することができるため、実物不動産投資と比較して流動性・換金性に優れています。
従来の不動産投資は、不動産の立地や築年数、物件の優位性など、一般的に売却が成立するまで約3ヶ月から6ヶ月ほどの時間を要すると言われています。
しかしREITであれば、購入及び売却の注文をいつでもすることができるだけでなく、日々の価格変動をリアルタイムに確認することができるため、自分のタイミングで売買をすることが可能です。
複数の不動産に分散投資ができる
REITを購入することで、複数の不動産に分散投資することができます。
長期的に資産を増やしつつ資産形成を図るためには、株式や不動産など金融商品を分散して持つことでリスクヘッジすることが求められます。
しかし、実物資産である不動産を分散して所有するためには、相応の資金力や運用方法、管理体制など、さまざまなスキルや経験が必要です。
しかし、REITであれば、単一用途の不動産に投資されたものや、複数の用途の不動産に投資されたものまで、幅広い選択肢の中から選ぶことができるため、複数の不動産に分散できるだけでなく、リスクを軽減しながら投資することが可能です。
インフレに強い
実物資産の代表とされる不動産はインフレに強い資産と言われています。
インフレ時は、資産価値が下落する現金や預貯金などの資産ではなく、インフレの影響を受けにくい不動産や貴金属、芸術品などの現物資産を保有することで、リスクヘッジできるだけでなく、インフレを通じて資産価値を高めることが可能です。
まとめ
REITは投資家から集めた資金を複数の不動産に投資することで成り立つ金融商品です。
個々人が享受するメリットとしては、少額の資金から不動産投資をはじめられる点や、従来の不動産投資とは異なり流動性・換金性が高いことから、リスクを軽減しながら比較的安定した利回り(リターン)を期待することが可能です。
また不動産の運用・管理においても、その分野のプロに任せることができるため、運用・管理の手間を簡略化しながら、効率的に投資することができます。
これまで、高額な初期投資や、管理・運用する時間がないため不動産投資ができなかった人でも、REITを通じて間接的に不動産という資産を所有できます。
これを機に、一度REITへの投資を検討してみてはいかがでしょうか?