不動産投資を始めるためには多額の資金が必要です。そのため融資を受けて投資を始めようと考えている方も多いのではないでしょうか?
融資を受けるためには銀行などの金融機関がどのような基準で審査をしているのか知っておく方が有利です。金融機関には明確な審査基準が存在します。
また、融資を受ける際に重要となるのが金利です。金利には大きく分けて変動金利と固定金利がありますので、どちらがよいかよく検討して選択することが重要です。
当記事では不動産投資における金融機関の審査基準や金利について解説します。
1.融資の審査基準とは
銀行などの金融機関で融資を受ける場合、審査を通過する必要があります。金融機関は審査の基準を設けることで貸したお金が返ってこない可能性がどれくらいあるかを確認するのです。
審査を通過するためには金融機関の審査基準について理解しておくことが重要です。
(1)融資を受ける人の属性
金融機関は審査をする際に融資を受ける人の属性を必ず確認します。
属性とは以下のようなものがあげられます。金融機関が審査する属性の基準とどのような人が審査を通過しやすいのか具体的にみていきましょう。
主な審査項目
項目 | 解説 |
年収 | 安定した収入多い方が高評価 |
年齢 | 若いほうが長く働くことができる可能性が高いため高評価 |
勤続年数 | 同じ会社に長く勤めている方が安定した収入を得られる可能性が高いため高評価 |
家族構成 | 家族が多いと生活費の負担が多くなるためマイナス評価 |
保有金融資産 | 預金の残高が多いほど高評価 |
ほかの融資状況 | 住宅ローンなど他の融資がある方はマイナス評価 |
主に上記のような項目で属性が評価されます。
属性が良い人であれば、審査を通過できる可能性が高くなり、融資を受けることができる金額も大きくなります。
融資の審査は収入だけで決まると考えている方も多いと思いますが、必ずしも収入だけできまるわけではありません。
これらの属性を複合的に審査して融資の可否や可能金額を決めていきます。
例えば収入が多くても子どもが多い大家族の場合は出費が多いことが想定されるため、そこまで高い評価にならないこともあります。
(2)融資を受ける物件の評価
属性と並び大切となるのが融資を受ける物件の評価です。金融機関は家賃収入を安定的に得られそうか、売却して融資金額を回収することができるかという基準で審査をします。
そのために重要となるのが、立地や建物の築年数です。
金融機関は物件の価値を判断して融資の可否や金額を決めます。
逆にいうと融資がおりないということはその物件にそこまでお金を出す魅力がないと金融機関が判断したということです。
金融機関が融資するか否かは物件を購入するときの参考にもなるのです。
2.変動金利と固定金利どっちがお得?
金融機関で融資を受ける際に判断に迷うことが多いのが固定金利と変動金利どちらを選択するかという問題です。結局、変動金利と固定金利はどちらがお得なのでしょうか。
(1)変動金利の特徴
変動金利は固定金利より当初借入時の金利は安く設定されています。ただし、借り入れ期間中に金利上昇のリスクがあります。
借り入れ金額が多く期間が長い場合、金利上昇は大きなリスクとなります。例えば、1億円の融資を受けた場合、1%の金利上昇で年間の負担が100万円増加します。
金利の上昇によってコストが増加した場合、実質的な不動産の運用利回りが下がってしまいます。
変動金利はリスクもありますが、金利が上昇した時に繰り上げ返済できる人は変動金利の方が有利です。
ある程度一括返済する資金がある方や毎月の返済計画に余裕がある方は金利が変動してしまった場合に元本を減らすことでができます。
そのため、当初の金利が低くコストを抑えることができる変動金利を選択すると良いでしょう。
(2)固定金利の特徴
固定金利は借り入れ期間中の支出額が一定となります。支出が一定となるということは長期間運用する不動産投資において大きなメリットとなるでしょう。
当初借入時の金利が高く負担が大きくなりますが金利上昇のリスクに備えることは重要です。
現在は歴史的な超低金利状態ですので、リスクを避けたい方は固定金利を選択するとよいでしょう。
3.どこで借りるのがお得?
不動産投資に関する資金はどこで借りるのがお得なのでしょうか。各金融機関の特徴を確認しておきましょう。
(1)都市銀行
都市銀行は保守的に融資の審査をする傾向があります。そのため、都市銀行の審査は他の金融機関に比べて厳しく、審査がおりたとしても希望額を満額借りられないことも多くあります。
一方で審査さえ通過することができれば他の金融機関に比べて比較的金利は低いという特徴があります。
都市銀行の審査は属性や物件の評価ともに厳しいですが、都市銀行で借りられる属性や物件を持っている方は都市銀行で借りることをオススメします。
(2)地方銀行・信用金庫・信用組合
地方銀行や信用金庫、信用組合は不動産投資に積極的に融資をしている金融機関とほとんど実施していない金融機関があります。
普段から取引をしている金融機関で借り入れを希望する場合は積極的に不動産投資に関する融資を行っているか確認した方が良いでしょう。
(3)ノンバンク
ノンバンクとは融資に特化した金融機関です。ノンバンクの特徴は審査を通過しやすい点です。
都市銀行で融資の審査がおりない場合でもノンバンクなら借りられるということは多くあります。
また、審査のスピードが早いのも特徴の一つです。都市銀行は審査に時間がかかりますので、どうしても手に入れたい物件がある場合はスピード重視でノンバンクに融資を申し込みすることも選択肢のひとつです。
ただし、ノンバンクは比較的金利が高い傾向があります。金利重視で行くのであれば都市銀行を選択した方がよいでしょう。
4.まとめ
不動産投資において融資は重要な項目です。審査を通過しなければ融資を受けることができません。審査を通過するためにはどのような基準で審査されるのか知っておいた方がよいでしょう。
また、「変動金利」か「固定金利」や融資を申し込む金融機関を選択する必要があります。
どのような融資を受けるかによって不動産投資の成否が分かれることもありますので、融資については慎重に検討する必要があります。