リゾート地の不動産投資に興味がある一方で、都市部のようには人口密集地ではないため、リゾートでの不動産投資は難しいと考え、躊躇している方は多いでしょう。
今回はリゾート地での不動産投資の基本やメリット・デメリット、そして成功させる上でのポイントを紹介します。
この記事を参考に、自分にはリゾート地での不動産投資ができるかどうか判断しましょう。
リゾート地での不動産投資の基本
リゾート地とは、首都圏であれば熱海、箱根に代表されるような観光地、中でも観光者向けの宿泊施設や滞在施設が多数ある地域での不動産投資を指します。
これらの地域には当然地元の方の居住用の物件もありますが、一般的に不動産投資で活用されるのは、主に地域外からの観光客向けの宿泊・滞在施設です。
かつて1980年代〜1990年代初頭にかけてのバブル期には積極的な開発が行われたため、物件も多数ありました。
しかし、バブル崩壊後にこれらの乱立したリゾート施設は価格の下落を経験しました。
また、足元では新型コロナの流行による観光需要の減退がネックとなっております。
そのためリゾート地での不動産投資は難しいという印象を持たれがち。しかし、現在ではバブル後の価格下落も一巡しました。
新型コロナによる需要の減退はいずれ回復に向かうことも踏まえると、投資物件の的確に選択することによって、リゾートでの不動産投資を成功させる余地は充分にあると言えるでしょう。
リゾート地での不動産投資の投資先
リゾート地にある宿泊施設・滞在施設を見ると、大きく分けて次の3つの投資先が存在します。
- 中古のリゾートマンションへの投資
- 新築のリゾートマンションへの投資
- ホテル・旅館などの宿泊施設への投資・運営
このうち、不動産投資家に対して一般的に推奨されるのは3つ目の中古リゾートマンション投資です。
これなら都市部マンション投資同様に、区分マンション投資や一棟買いなど、多様な投資手法が検討できます。
また、マンションの不動産価格は新築からしばらくの間に価格が急落する傾向にありますが、中古であれば価格の下落が落ち着いている物件を選ぶことができます。
一方、新築のリゾートマンションは、決して近年盛んに供給されているわけではないので、そもそも投資物件を見つけるのに苦労する可能性が高いです。
また、先に書いた通り新築は物件価格が一般的に急速に下がる傾向にあるため、特に初心者にはリスクの高い投資手法であるといえます。
また、ホテル・旅館で不動産投資を行うとなると、実質的に宿泊施設を経営する必要があります。
不動産投資とは異なる知見が必要ですし、いきなり始めるにはハードルが高いといえるでしょう。
以上の理由から、リゾート地での個人投資家の不動産投資には一般的に中古リゾートマンション投資が適しています。
そこで、以降は中古リゾートマンションへの不動産投資を前提として説明します。
リゾート地での不動産投資のメリット・デメリット
続いてはリゾート不動産投資のメリット・デメリットを簡単に紹介します。
リゾート地での不動産投資のメリット
リゾート地での不動産投資のメリットは以下の3点です。
- 物件価格が安い
- 多様な魅力の物件がある
- 借り手がつけば潤沢な家賃収入が期待できる
まず、中古のリゾートマンションは都市部のマンションより価格が安いのが一般的。
観光地として高い需要を持つ沖縄でも東京より1平方メートルあたりの単価は半分以下です。
従って少ない自己資金でチャレンジできますし、ローンで借り入れるにしても金額が少なく済みます。
一方で、それぞれが独自の魅力を持つ物件が多いことも特徴。
都市部のマンションはそれぞれ工夫を凝らしているとはいえ、需給の大部分は価格の割安・割高と利便性で決まります。
一方、リゾートマンションは充実した共用施設や付帯サービス、観光地との立地など、様々な要素で他のマンションと差別化しています。
そして、これが次の潤沢な家賃収入につながります。都市部のマンションより差別化する余地が大きいため、魅力的な物件は、不動産価格の割に潤沢な家賃収入が期待できます。
また、リゾートマンションの中心的な購入者は比較的裕福なミドルのサラリーマンやリタイア済のシニア層です。
彼らは資金的に余裕のある層であるため、観光地や物件の魅力が充分であれば、多少高い家賃でも借り手がつくと期待できます。
リゾート地での不動産投資のデメリット
一方でデメリットは以下の3点となります。
- 借り手をつけるまでの難易度は高い
- 維持費が高い
- 経済環境・観光地の流行に左右されやすい
先ほど、ミドル・シニアの裕福な層がメインターゲットとなると書きましたが、都市部のマンションより借り手が狭まるのは確かです。
リゾートマンション固有の差別化要因を訴求するにしても、都市部の好立地のマンションなどと比べると借り手を獲得する難易度は高いでしょう。
加えて、共用施設が充実しているマンションが多いため、管理費用など様々な維持費が一般的な都市部のマンションと比較して高い傾向にあります。
また、バブル後の不況、足元のコロナなど経済環境などの影響を受けやすい点にも注意が必要です。さらに加えれば、観光地には人気・不人気の波があります。
投資するリゾートマンションが位置する観光地が不人気化すれば、空室リスクは一段と上がってしまうでしょう。
コロナの不動産投資の影響についてはこちらの記事を見てください。
リゾート地での不動産投資を成功させるポイント
最後にリゾート地での不動産投資を成功させる3つのポイントを解説します。
- 観光地の需要について中長期的な見通しを持つ
- 維持管理が適切に行われている物件を厳選する
- 転売しやすい物件を選ぶようにする
まず、リゾート地における投資では観光客の需要動向をしっかりと捉える必要があります。
足元の観光客需要だけでなく、季節による変化、将来的な需要変化の見込み、災害リスクなど多面的な状況変化を想定します。
そして、できるだけ需要が安定しており、災害などのリスクも低い地域の物件を選びましょう。
また、中古リゾートマンション=築年数が相応に経過している一方で、マンション内の共用施設などは重要な付加価値になります。
マンションの「売り」になる共用施設が適切に管理され、借り手にとって魅力的になっているか精査しながら物件を厳選しましょう。
最後に、いくら手を尽くしたとしてもリゾート地での不動産投資はやはりリスクが高いもの。
失敗した時には「撤退」できるようにしておくことが重要です。
不動産の売買状況などをチェックしたり、仲介業者からも情報収集しながら、転売がしやすい観光地の物件を選ぶことが大切です。
リゾート地の不動産投資では観光地・物件選びがより重要
今回紹介したように、リゾート地の不動産投資で収益を獲得する余地は充分あるものの、やはり都市部の優良物件よりリスクが高くなるのは確かです。
一方で、価格が安いため、少ない投資元本で大きな収益を獲得できる可能性もあります。
リゾート地での不動産投資では、特に魅力的な観光地・物件を厳選することが大切。
首都圏に拘らず様々な観光地の需要や中古リゾートマンションの市場動向を精査した上で、より借り手にとって魅力的な物件を選び抜くのが、リゾート地での不動産投資の成功の秘訣となります。