世間では“早くお金を増やそう”と焦り、不動産投資の利回りに潜むワナにかかる人がいます。
これは知人の話なんですが、仮にAさんとしますね。
FIRE(早期リタイア)を夢見る30代の男性で、不動産投資を始めようとしている方がいました。
そして利回り10〜12%という好条件の物件を見つけ、営業マンの説明に納得し奥さんと共同経営することを決めました。
しかし、アパート経営が始まってみると、経費や空室の発生で実質10%の利回りは厳しいことに気付きます。
この裏には不動産会社が提示する“表面利回り”と、現実の”実質利回り”が異なる事実がありました。
表面利回りと実質利回りの違いは?
表面利回りとは、年間の家賃収入を購入費用で割ったものを数値で表した利回りです。
よく物件情報に”利回り”と表記がありますが、掲載の多くはこの表面利回りが利用されていることが多いです。
実質利回りとは、不動産購入時や運営時にかかる諸費用や手数料を年間の家賃収入から
引いたものを投資金額で割ったものです。
この各種経費や空室のリスクも考慮した現実的な実質利回りについて、不動産会社では提示しないので、自分で計算しなければいけません。
Aさんのように利回りの種類や違いについて知識が乏しいと、不動産投資の世界で失敗してしまう一例でしょう。
不動産投資で非常に重要になるのが利回りです。
利回りが高ければ高いほど、投資した金額に対する収益が上がります。
前述したように、表面利回りと私たち不動産投資家が知るべき実質利回りは異なるので注意が必要です。
似たものとして、“想定利回り”が提示されている場合がありますね。
想定利回りとは、満室経営を想定したときの利回りで、広告に掲載されている利回りの多くは、満室想定で計算された表面利回りと言ってもいいでしょう。
また営業マンの謳い文句として、「節税になります」という甘い言葉があります。
ですが節税になるということは、不動産投資が赤字になることを意味するので、利益を出すための投資なのに赤字では本末転倒でしょう。
せっかく不動産投資を行うなら節税対策よりも、利益を出すことに集中したいところです。
多くの不動産会社が、表面利回りを提示しているのは詐欺ではないか?と思われるかもしれません。
しかし、表面利回りも大きなくくりで言ったら利回りの1つです。
虚言しているわけではなく、法律的には問題ないというわけです。
良質な物件は自分の目で見て確認する
不動産会社の情報をすべて信じてしまうとカモにされてしまいます。
良質な物件を見つけたいなら、自分で足を運び目で見て判断することが大切です。
うまい話には裏がある…ことを忘れてはいけません。
不動産会社の情報も参考にしつつ、自分で実質利回りの計算を行い、良質な物件を見極めていきましょう。