先日、SDGs(持続可能な開発目標)についてのニュースが報道されていました。
たくさんの課題がある中で、私たちの暮らしに直結する課題の1つがエネルギー問題です。
エネルギー問題の深刻化が進む昨今では、良質なエネルギーを定価価格でより多くの人に届けることを目標に取り組みしているものになりますね。
エネルギーでいうと、不動産業界でも改正建築物省エネ法が2025年からすべての新築物の省エネ基準適合が義務付けられます。
どういうことかというと、住宅を含めたすべての新築建物は、国が定めた省エネ基準をクリアしないといけないことになるということですね。
省エネ基準
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/content/001487213.pdf
その背景として省エネ効果の大きい冷暖房、給湯、照明などの設備について、省エネ性能は
評価されておらず基準が曖昧だったことから、エネルギー消費に関わるものを建物全体の省エネ性能として、総合的に評価する基準へ改定されました。
気になる適合コスト
省エネ基準に合わせることで断熱性能が上がり光熱費が削減される一方、建築コストは現在よりもアップします。
省エネ基準追加コスト
https://www.mlit.go.jp/common/001270437.pdf
これらが義務化されればコストアップ分は、私たち不動産投資家に負担がくるでしょう。
実際の追加コストは設備や省エネ性能の差によって増減も考えられますが、現在の建築費高騰の影響が続くようであれば、試算額を大きく超える可能性があります。
自分の居住用であれば光熱費のランニングコストが下がり、長期的に回収できる可能性があります。
ですが賃貸アパートなどの場合は、省エネ基準を満たしても賃料を上げることは厳しいため、建築費のコストアップ分は、初期費用に上積みされてしまいます。
不動産投資に与える影響
新築建物の省エネ基準の義務化が、不動産投資に与える影響は少なくないでしょう。
なぜなら建築費のコストアップが避けられないため、物件を取得する際の初期費用が上がり、利回りが下がる可能性があるからです。
しかし、コストを下げるためだけに改定前の基準で駆け込むように建築を行うことは、慎重に進めなければいけません。
なぜかというと改定後はすべて省エネ住宅となるため、入居者が基準に対応していない賃貸物件を避ける可能性があるからです。
入居者にとっては断熱性の高い快適な空間や、光熱費の削減が見込める住宅を選ぶことはメリットになりますよね。
国は省エネ性能への誘導、省エネ性能表示を推進しています。
現状では省エネ性能表示は努力義務となっていますが、改定後に省エネ制度が普及すれば、省エネ表示のない住宅は入居者から避けられる可能性もあります。
省エネに対応していない収益物件の所有者は、今のうちに省エネリフォームの費用対効果を検討しておいたほうがいいかもしれません。
少しでも参考になれば幸いです。