空き家を相続する予定がある方のなかには「使用しないから放置しておいて大丈夫かな?」「管理にどれくらい手間や費用がかかるのだろう」と、疑問や不安を感じている方もいるのではないでしょうか?
空き家を相続するのであれば、どんな負担やリスクがあるのかを理解しておく必要があります。
場合によっては、大きなコスト増や負担増を強いられるかもしれないのです。
そこで今回は、空き家を相続すると増える負担や対処方法について解説します。
空き家を相続する予定がある方や気になっている方は、ぜひ参考にしてみてください。
空き家を相続すると増える3つの負担
空き家を相続する予定があり、不安を感じている方もいるのではないでしょうか?
まずは、空き家を所有するとどんな負担がかかるのを把握しておくのがおすすめです。
どのような負担があるのかを理解した上で、相続した後にどうするのかを考えてみてはいかがでしょうか?
空き家を相続すると増える可能性のある、3つの負担について解説していきます。
金銭的な負担が増える
空き家を相続して所有者になれば、適切な状態を維持するよう管理する義務が発生します。
だからといって、更地にすると固定資産税が増額されてしまうため注意が必要です。
固定資産税では家が建っている土地に減税措置を適用しており、解体して更地にすれば適用外になってしまいます。
減税措置の適用外になると、最大6倍にもなる固定資産税を毎年納付しなければなりません。
さらに、自分の持ち家を別に所有していば、固定資産税を“2重に納めている”状態になり、大きな負担になるでしょう。
また、空き家の管理を管理会社に委託すれば費用もかかります。
やはり、空き家を所有し続ける限り支払う必要があり、税金と合わせて大きな金銭的負担を強いられるのです。
管理の手間が増えて大変
空き家は放置するほど老朽化が進んでしまうため、定期的に通って換気したり、通水したりなどの手間をかけなければなりません。
とはいえ、管理会社に委託すれば作業を任せられる反面、委託費用が負担になってしまいます。
そこで、自分でできる限りの範囲で管理しようとなりますが、実際には大変です。
とくに、働き盛りでお子さんのいる家庭の場合、休日のたびに空き家に出向いて管理するのは難しいでしょう。
庭の雑草が増えれば家族総出で休日を返上し、草刈りする必要もあるかもしれません。
ましてや空き家が遠方にある場合、定期的に通うのは大変な労力になります。
空き家を相続するならば、思っていたより手間や時間を要する可能性がある点に留意しておく必要があるのです。
近隣トラブルが増える場合も
空き家を住まいとしないのであれば、常に監視して管理するのは困難になります。
空き家を放置しておくと、さまざま近隣トラブルの原因になる場合もあり注意しなければなりません。
たとえば……
- 外壁がくずれて近隣住民にケガさせた
- 石垣が崩れて隣の家に被害が及んだ
- 害虫や害獣が住み着いて近隣に迷惑をかけた
- 放火されて火事になり隣地にも飛び火してしまった
- 庭木が伸び放題で近隣住民の通行を妨げている
- ゴミを不法投棄されて地域の問題になっている
上記のようなトラブルやクレームで連絡がくれば、遠方からでも駆けつける必要がありますし、第三者にケガや損害を与えれば損害賠償請求されるケースもあります。
空き家を相続しても、しばらく放置しておくつもりならば、さまざまリスクがある点に注意しておく必要があるのです。
空き家を相続したときの対処方法
空き家を相続して所有すれば、管理責任が生じると同時にリスクやコストの負担も強いられます。
では、空き家を相続したらどうしたらよいのでしょうか?
対処方法を解説していきますので、参考にしてみてください。
自分で管理する
将来住む予定があるなど、売却せずにしばらく放置せざるを得ないならば、自分で管理しなければなりません。
いざ転居する頃になってさまざまな不具合が発生しないよう、定期的に適切な管理をおこないましょう。
とくに、こまめに換気して通風しなければ、カビが大量発生する恐れがあります。
また、雑草が増えると害虫や害獣が住み着いたり、不法投棄されたりなどのリスクも増えるため注意が必要です。
雑草は刈ってもまたすぐ生えてくるため、こまめに草刈りをおこないましょう。
管理を委託する
空き家が遠方にある場合や、忙しくてマメに通えないなら管理を委託する方法もあります。
なかには、空き家に特化した管理会社もあるのでチェックしてみましょう。
ただし、管理委託費用が発生するため、「費用が発生するのは困る」「なるべくコストを抑えたい」という場合には、やはり自分でしっかり管理し続けていく必要があります。
売却する
とくに使い道がない、将来住むつもりもないという場合には売却も検討してみましょう。
不動産会社に売却を仲介してもらうほか、直接買い取ってもらう方法もあります。
売却してしまえば、手間やコストの負担を大きく軽減することが可能です。
また、相続開始から3年以内に売却すれば、譲渡所得税の特例で3,000万円特別控除を受けられます。
譲渡益が発生した際に税金の負担を減らせるため、売却するのなら早めに行動するのがおすすめです。
ただし、空き家を売却できたとしても、即管理責任を放棄できるわけではありません。
新しい管理者が決まって実際に管理が始まるまでは、元所有者の管理責任が消滅しない点に留意しておきましょう。
更地にする
さまざまな近隣トラブルや不法投棄などが心配な場合には、建物を解体して更地にする方法があります。
雑草が伸びたら草刈りする程度と、管理の手間を大きく減らせるのがメリットです。
また、売却したい場合には、ボロボロの建物がある土地より更地のほうが売れやすくなります。
さらに、駐車場やトランクルーム、太陽光発電などで有効活用する方法もおすすめです。
ただし、更地にするには建物の解体費用がかかるうえ、固定資産税の減税措置も適用外になる点に注意してください。
賃貸住宅にする
住む予定がない、売却するつもりもないのであれば、賃貸住宅にするのも方法のひとつです。
リフォームやリノベーションに費用がかかるものの、入居者を継続的に確保できれば安定した収益を得られます。
人に住んでもらうと、おのずと建物の管理になる点もメリットです。
また、一般的な賃貸住宅としてのほか、シェアハウスや民泊として不動産ビジネスを展開する方法もあるので検討してみてください。
まとめ
空き家を相続するならば、リスクやコストの負担増を考慮しておかなければなりません。
ましてや、「使い道が見つかるまで放置しておこう」と考えるのはとても危険です。
現時点で使い道がない、将来住み予定もないのであれば、売却や相続放棄を含めて処分を検討してみてはいかがでしょうか?
もし空き家の相続や不動産について不明な点があれば、不動産の専門家に相談してみるのもおすすめです。
当サイトでも不動産に関する無料オンライン講座を実施しており、お力になれることもあるかと思います。
ぜひ一度、お気軽にご利用なさってください。