空き家

空き家の相続放棄をしたい!やり方と解決方法を解説

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「相続に困っている空き家がある」

「相続放棄をしたいけど、どうしたらいいかわからない」

あなたも、空き家の相続について悩んでませんか?

自分が使う予定がなく、貸し出すこともできないような空き家を相続すると、大変な目に遭うかもしれません。

空き家が老朽化して周囲に迷惑が及ぶと、行政処分が下されることがあります(*1)。空き家問題は今、社会問題になっています。

そこでこの記事では、空き家を相続しないで済む相続放棄について解説します。

この記事をお読みいただくと、空き家相続問題を回避できるでしょう。

*1:国土交通省

 相続放棄は民法上のルール

まずは、空き家問題を抜きにして、相続放棄のルールについて解説します。

相続放棄の規定は民法第915条に定められていて、その内容は次のとおりです。

●相続人(遺族)は、相続があることを知ったときから3カ月以内に、相続するか放棄するか決めなければならない

民法で相続放棄のルールを定めているのは、相続が相続人にとって不利に働くことがあるからです。

不利とは、例えば負債の相続です。故人(被相続人)が負債を遺して亡くなった場合、相続人はそれも相続しなければなりません。

しかし、負債をつくったのは故人であって、相続人ではありません。そこで相続放棄というルールをつくって、相続が嫌なら相続しなくてよい、としたのです。

相続放棄するならプラスの財産も放棄しなければならない

相続人にとっての相続放棄のメリットは、負債などのマイナスの財産を受け継がなくてよいことですが、一方で、プラスの財産も一緒に放棄しなければならないというデメリットもあります。

相続放棄すると、プラス財産もマイナス財産も、すべての財産を放棄しなければなりません。

例えば故人が1)1,000万円の現金(プラス財産)と2)1,000万円の借金(マイナス財産)の2つの財産を遺した場合、相続人は両方を相続するか、両方とも相続放棄するかを決めなければなりません。

プラス財産が多ければ相続放棄しないほうがよい

もし、誰も使わない空き家を相続することになっても、プラスの相続財産で相殺できるのであれば、相続放棄しないほうがよいでしょう。

プラスの相続財産が大きければ、そのなかから空き家を取り壊す費用を捻出して更地にすれば売却や無償譲渡の道が開けるかもしれません。

また、更地にしても売却できないような土地は値段がつかないので、固定資産税も発生しません。

ここまでの説明をまとめるとこのようになります。

空き家を含めてマイナスの財産が多ければ、相続放棄したほうがよい

プラスの財産で空き家を取り壊す費用を工面できるのであれば、相続して更地にしたほうがよい

空き家を相続放棄する方法、手続き

空き家を相続放棄するときの方法と手続きを解説します。

繰り返しになりますが、空き家だけを相続放棄することはできないので、「空き家の相続放棄の手続き」は「すべての財産の相続放棄の手続き」になってしまいます。

家庭裁判所で手続きする「3カ月ルールに注意を」

相続放棄の手続きは家庭裁判所で行います。ここで「相続放棄の申述申し立て」を行います。

この手続きができるのは、相続の開始があったことを知ったときから3カ月以内となります。

相続問題が発生するとさまざまな作業が発生するので、3カ月はあっという間に過ぎてしまいますので注意してください。

3カ月が過ぎると原則、自動的に相続することになってしまいます。

必要な書類

相続放棄の申述申し立てに必要な書類は次のとおりです。

  • 相続放棄申述書
  • 被相続人(個人)の住民票除票
  • 相続放棄をする人の戸籍謄本

結果は34日後に郵送で届く

家庭裁判所で相続放棄の申述申し立てを済ませると、3、4日後に、家庭裁判所から「相続放棄申述書受理通知書」が届きます。

これで手続き完了です。

手続きの金額

相続放棄の手続きにかかる費用は、収入印紙代800円と郵便切手代です。郵便切手代は裁判所によって異なります。

相続放棄の事務処理に自信がない方は、弁護士事務所に代行を依頼することができます。その費用の相場は大体数万円です。

相続放棄の効果:初めから相続人でなかったことになる

相続放棄をすると、初めから相続人でなかったことになります。わかりやすく説明すると、相続財産とは無関係の人になります。

したがって相続放棄した人は、空き家とその土地の固定資産税を支払う必要はありません。

ただ相続放棄で「すべて解決」とはならない

相続放棄をしても、空き家の場合それですべて解決できるわけではありません。

民法第940条によって、空き家を相続放棄しても、しばらくは相続放棄した人が空き家を管理しなければなりません

「しばらく」とは、別の人が相続して管理を始めるまでです。

ほかの相続人が空き家を相続したら、その時点でようやく完全にその空き家と縁を切ることができますが、それまでは相続放棄した人が管理しなければなりません。

必ず国や自治体が受け取るわけではない

相続した財産が不要になったら、国や自治体に寄贈できる(無償譲渡できる)と聞いたことがある人がいると思いますが、これは半分正解で半分間違っています。

国や自治体が国民や住民から財産の寄贈を受けるのは、よほどの事情がある場合に限られます。

相続人すら「要らない」と思っている空き家やその土地を、国や自治体が、例え無償でも引き取ることはないでしょう。

それでも市区町村に相談する価値はある

ただ、市区町村に「この空き家と土地を無償で引き取ってもらえないだろうか」と相談することは有効です。

市区町村が必要としている土地であれば、受け取ってもらえるかもしれないからです。

また、市区町村は空き家問題に頭を悩ませているので、空き家処分の知恵を貸してくれる可能性があります。

相続放棄が難しければ無償譲渡の検討を

被相続人(故人)がプラスの財産を多く遺してくれたら、空き家を相続することになると思います。

それでも空き家の使いみちがない場合、無償譲渡を検討してみてはいかがでしょうか。

先ほど紹介したとおり、国や地方自治体に無償譲渡(寄贈)することは難しいのですが、次のような人たちは、引き受けてくれるかもしれません。

<無償なら空き家を引き受けてくれるかもしれない人たち>

  • 空き家が建っている土地の隣地の地主
  • 空き家の再生や処分を得意としている不動産会社

空き家が建っている土地の隣地の地主なら、無償なら引き取ってくれるかもしれません。

もし、隣地の地主が、空き家を撤去して更地にしたら引き受けると言ったら、そのようにしてもよいでしょう。

もちろん空き家の撤去費用などは必要ですが、それでも空き家と完全に縁が切れるのであれば、早めに手を打っておいたほうが得策です。

また、空き家の扱いを得意にしている不動産会社もあります。

そのような不動産会社に相談すれば、まずは買い手を探してくれるはずです。うまくいけば、わずかでも売却益が得られるかもしれません。

まとめ~検討と行動は早めに

もし、親や祖父母などが空き家を持っていて、それを相続する可能性があり、なおかつ、その空き家の利用方法が思いつかない場合は、すぐに検討を始めたほうがよいでしょう。

親や祖父母が存命なのに相続の心配をするのはためらわれるかもしれませんが、いざ、相続が決まると、ほかの事務手続きに忙殺されて空き家問題があと回しになる可能性があるからです。

市町村への相談、不動産会社への打診、隣地の地主への声かけ、相続放棄手続きなど、空き家処分の準備では、やることがたくさんあります。

早めの検討と早めの行動を心がけてください。

専門家に相談したいという方は当サイトを運営している仲尾までこちらのLINEからご連絡ください。

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