不動産投資を優位に進めるために補助金を検討しているけれど、実際に利用できる制度が見つからない方もいるのではないでしょうか?
今回は、不動産投資で注目されている空き家の補助金を紹介します。本記事を読んで空き家の補助金を知れば、不動産投資の新たな事業が思い浮かぶことでしょう。
そもそも不動産投資で補助金は使える?
たとえば、サービス付き高齢者向け住宅整備事業という補助金制度が不動産投資に活用できます。
「サービス付き高齢者向け住宅」とは、バリアフリー化や居住者への生活支援に関する基準を満たす住宅です。
国は、サービス付き高齢者向け住宅として登録される住宅の整備事業を公募しており、予算の範囲内で事業の実施に必要な費用を一部補助してくれます。
目的は高齢者が安心して生活できる住環境を整備し、居住の安定を確保することです。補助対象となる高齢者生活支援施設に関する補助金の上限額は、1施設あたり1,000万円に設定されています。
このように不動産投資では、巨額を補助してくれる補助金制度もあります。うまく活用すれば、大幅に事業にかかる費用負担を削減できるでしょう。
不動産投資で注目される空き家の再利用とは?
不動産投資において空き家の再利用が注目されており、補助金制度の公募が行われているケースも見受けられます。
空き家の再利用とは、空き家を改修して資産価値を向上させてから、賃貸で利回りを回収する事業です。賃貸の例は、シェアハウスや民泊、戸建、貸店舗、貸工房などが挙げられます。
空き家は物件の価格が低い傾向があるので、適切に運用すれば大きな収益が期待できます。
空き家不動産投資のデメリット3つ
空き家不動産投資にはデメリットもあります。それぞれのデメリットを確認してみましょう。
デメリット1.購入や改修に費用がかかる
空き家といえども、戸建てとして購入するので、数百万円の購入費がかかります。
また、賃貸に活用するにはリフォームもしなくてはなりません。工務店をはじめ、水回りの施工業者や塗装業者、壁紙業者などに依頼する必要があり、改修費用も発生します。
仮に空き家を購入したあとに想定外の損傷が見つかると、見積もっていた以上に改修費用が増えてしまうこともあります。
また、賃貸事業をスタートしたあとに、入居者にリフォームを要望されるケースも少なくありません。
資金を節約するためには、業者に依頼しないで済む部分を見極め、自分で改修する姿勢も重要です。
デメリット2.空き室のリスクが高い
空き家は単身者でなく1世帯に貸し出すことになり、賃貸需要の流動性が低い傾向があります。したがって、空き家の賃貸では空き室のリスクが高いです。
そのため、複数の物件を所有してリスクを分散する必要があり、初期費用や維持費用がかさんでしまう恐れもあります。
また、空き家になっていた原因が立地や建物の状態にあると、そもそも賃貸需要がない可能性もあります。
駅からの距離や人口の動向などに注目しつつ、入居者にとって利便性の高い物件を選択することが大切です。
デメリット3.土地の評価が低い
空き家投資の対象となる物件には、再建築不可物件も少なからずあります。再建築不可物件とは、家を解体して更地にすると新たな家を建築できない土地です。
再建築不可物件は、ローンの審査で物件としての価値がほぼないと見なされてしまいます。そのため、空き家を購入する際には金融機関の融資がおりません。
また、物件としての価値が低いと、簡単に売却できない可能性もあり、初期費用を回収できないリスクも高くなります。したがって、空き家投資では出口戦略を考えることも重要です。
空き家の不動産投資に活用できる補助金3つ
空き家の不動産投資では、改修費用や維持費用がかさむ可能性があるとわかりました。
少しでも空き家の不動産投資における費用負担を減らすために、補助金の活用を検討してみるとよいでしょう。
ここからは空き家の不動産投資に活用できる補助金を3つ紹介します。
補助金1.泉大津市創業支援事業補助金
泉大津市では、同市の地域産業の活性化と雇用創出を目的に、市内の空き家および空き店舗を活用した事業を始める創業者に対して、家賃補助を実施する補助金制度を行っています。
補助額は経費の1/2以内の額であり、最大2万円です。補助金の交付が決定された事業者は、5年以上事業を継続しなければなりません。
補助金2.住宅セーフティネット制度
国土交通省による住宅セーフティーネット制度では、空き家の改修を補助する支援を行っています。
低額所得者や高齢者、シングルマザーなどに賃貸住宅を供給することが目的です。
改修工事の対象は、バリアフリー改修工事や耐震改修工事、防火・消化対策工事などが挙げられます。ちなみに、改修計画を立てる費用まで補助対象です。
改修費に関する補助額は、1戸あたりの限度額が50万円です。ただし、共同居住用を目的とした改修や間取り変更、耐震工事を行うときは、1戸あたりの限度額が100万円になります。
補助金3.田舎暮らし農園施設整備支援事業
兵庫県では、農園施設整備や空き家改修、農林漁業体験民宿改修にかかる経費を一部補助してくれる取組を行っています。
空き家の改修に関する補助額は下記の通りです。
対象経費 | 補助額 |
300万円以上 | 100万円 |
200万円以上~300万円未満 | 75万円 |
100万円以上~200万円未満 | 50万円 |
ただし、対象経費の1/3と比べて低い額が上限になります。
空き家の改修以外に補助金が出ることも(まとめ)
空き家に窓口を設置して、空き家に関する相談(相続・売却・賃貸・管理など)を受け付ける事業に補助金が出た事例もありました。空き家の適正管理と発生抑制が目的です。
このように、空き家を利用した不動産投資は賃貸だけに限りません。
今後も空き家に関するさまざまな活用方法が検討され、空き家の利用が不動産投資の分野でも活発になっていくことでしょう。
ちなみに現在は、空き家に関する補助金を気軽に検索できるサイトが登場しています。
たとえば、アットホーム株式会社が運営する「全国版 空き家・空き地バンク」や株式会社補助金ポータルが運営する「補助金ポータル」などのサイトで空き地に関する補助金を探せます。
不動産投資の方法に迷っている方は、ぜひ空き家を利用した事業も検討してみてください。