空き家

空き家が劣化すると固定資産税が6倍になる!?解決策も伝授

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貸すことも売ることもできない空き家は「負動産」の代表格でしょう。

空き家の状態が長くなると、売るのも貸すのもあきらめたくなると思いますが、処分に困っている空き家ほど早く処分することをおすすめします。

なぜなら、空き家がさらに劣化すると、行政から「特定空き家」に認定され、固定資産税が6倍になるかもしれないからです。

この記事では、特定空き家と6倍固定資産税の仕組みを解説したうえで、問題を解決する道筋を考えていきます。

深刻化する空き家問題と「特定空き家」制度

特定空き家が建つ土地の固定資産税が6倍になる仕組みを理解するには、空き家問題の実態を知っておく必要があります。

空き家は今、深刻な社会問題になっています。国土交通省によると、賃貸も売却もしない空き家は1983年から2013年までの20年間で約2倍に増えました。

老朽化した空き家が社会問題になるのは、次のような被害をもたらすからです(*1)。参照:国土交通省

<老朽化した空き家が生む被害>

  • 倒壊したり屋根が落下したりして防災性が低下する
  • 犯罪を誘発して防犯性が低下する
  • ゴミの不法投棄の切っ掛けになる
  • 衛生の悪化、悪臭の放出
  • 景観の悪化

そこで国は、空家等対策特別措置法を2015年に施行し、上記の問題を抱えた空き家を「特定空き家」に認定することにしました。

特定空き家に認定されると、自治体から改善の勧告を受けたり、対処しないと50万円以下の過料が科せられたりします。

さらに、特定空き家になると、空き家が建つ土地の固定資産税が6倍に跳ね上がります。この点について、次の章で詳しく解説します。

固定資産税が6倍になる条件

「固定資産税が6倍になる」とは、正確には「6分の1になっていた固定資産税が、通常の額に戻る」となります。

住宅が建つ土地の固定資産税は、特例として6分の1になっていますが、特定空き家が建つ土地はこの特例が外されます。

特例の仕組みと、6倍になる条件を紹介します。

6分の1になっているのは「特例」だから

固定資産税と都市計画税の制度には「住宅用地の特例」があります。この特例は、住宅用に使っている住宅用地(土地)の固定資産税と都市計画税を割り引く内容になっています。

割引率と対象になる土地は以下のとおりです。

対象になる土地固定資産税の税率都市計画税の税率
住宅用地の特例の対象ではない 空き地 1.4%0.3%
住宅用地の特例の対象固定資産税の税率都市計画税の税率
小規模住宅用地(200平方メートル以下の部分)基準の1/6基準の1/3
一般住宅用地(200平方メートル超の部分)基準の1/3基準の2/3

この表に沿って住宅用地の特例を解説します。

基準の税率は、固定資産税が1.4%都市計画税が0.3%となっています。

税額は「課税標準(土地の価値)×税率」で算定されます。

これが特例のない状態です。

対象の土地が住宅用地の場合、小規模住宅用地の固定資産税は、基準の税率の6分の1に割り引かれます。その結果、固定資産税の税額が6分の1になります。

都市計画税の割引率は3分の1になります。

小規模住宅用地とは、対象の土地の200平方メートルまでの部分のことです。

200平方メートルを超えた部分は一般住宅用地と呼ばれ、割引率は固定資産税が3分の1に、都市計画税が3分の2になります。

このように住宅用地は固定資産税と都市計画税において、かなり優遇されています。

「特例」が外れると

特例が外れると、固定資産税の額が、従来の最大6倍になります。都市計画税は最大3倍になります。

行政に特定空き家と認定されてしまうと、その空き家が建っている土地の特例が外れます。固定資産税の税率も都市計画税の税率も基準(1.4%と0.3%)に戻ってしまいます。

空き家を「どうするのが」得策か

空き家のオーナーにとって、特定空き家に認定されることはダブルパンチになります。処分できない状態が続いているのに、維持コストが急増するからです。

空き家はどうするのが得策でしょうか。考えられる方法は次の3つです。

  • 修繕するなどして特定空き家認定を回避する
  • なんとかして貸す
  • なんとかして売る

1つずつ確認していきましょう。

空き家を修繕するなどして特定空き家認定を回避する

空き家であっても、住宅として価値があるとみなされれば、特定空き家になることはありません。

そのため、もし自分が保有する空き家が老朽化していれば、修繕をすることで特定空き家認定を回避できます。

空家等対策特別措置法第2条第2項に、特定空き家が定義されています。「特定空家等」が「特定空き家」のことです。

●空家等対策特別措置法第2条第2項

この法律において「特定空家等」とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいう。

この法律文からキーワードを抜き出すと、このようになります。

●特定空き家とは

・そのまま放置すれば倒壊するおそれがある空き家

・著しく保安上危険となるおそれがある空き家

・著しく衛生上有害となるおそれがある空き家

・適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている空き家

・周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にある空き家

ここから、次のような対応をすれば、特定空き家に認定されずに済むことがわかります。

  • 倒壊させない
  • 危険を感じさせない
  • 衛生上の管理を行う
  • 景観を損なわないようにする
  • 周辺の生活環境に悪影響を与えない

通常の修繕や通常の管理をしていれば、問題は起きないでしょう。

空き家をなんとかして貸す

通常の修繕や通常の管理とはいえ、それを実施するにはコストや手間、時間がかかります。

空き家オーナーは、使う予定がない空き家にそれだけのコストをかけることに躊躇してしまうでしょう。

そこで、空き家を貸すようにしてみてはいかがでしょうか?

オーナーのなかには、すでに何度か不動産会社に相談したものの借り手がみつからなかった、という経験をしている人もいるでしょう。

住宅はいろいろな人の目にとまっているので、長年空き家になっているということは、多くの人にとって魅力が薄い物件であると考えることができます。

そのため「普通の」不動産会社に相談しても、借り手をみつけることは難航するはずです。

しかし、居住地を都会から郊外に移す人や、田舎への移住は、少しずつですが確実に増えています。

そうした人の動きをとらえることができれば、自分の空き家に住んでもらえる人と出会えるかもしれません。

最近は、穴場的な空き家を紹介する不動産会社や不動産情報サイトが増えています。また、空き家をリノベーションして付加価値をつけて貸し出す業者もいます。

このようなツールや企業を利用すれば、借り手がみつかりやすくなるでしょう。

下記の記事で空き家の有効利用を解説しています。

空き家をなんとかして売る

空き家問題や特定空き家認定に悩まされるのは、空き家を持っているからです。

空き家をなんとかして売ることができれば、この問題から解放されます。

売却も、「普通の」不動産会社ではなく、「空き家を得意とする」不動産会社に相談してみましょう。

空き家と得意とする不動産会社にとっては、空き家の売却は、空き家の貸し出しより簡単な場合があります。

オーナーに空き家を売ってもらうことができれば、空き家を再生することも、空き家を取り壊して土地を再利用することもできるからです。

まとめ~情報を集めれば「なんとかなる」はず

特例で6分の1になっていたものが元の金額に戻るだけとはいえ、使っていない住宅の税金が値上がりすることは、空き家オーナーにとって許容しがたい事態ではないでしょうか。

空き家が特定空き家に認定されて固定資産税が6倍になると、「空き家の苦労」がさらに大きくなってしまいます。

「なぜ空き家なんて抱えてしまったのか」と頭を抱える前に、処分するための情報を集めましょう。

こちらのLINEに連絡していただけると、「空き家のスペシャリスト」の当サイトを運営している仲尾に相談することができます。ぜひ、ご活用ください。

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